平成26年2月6日(木)14:00~
せんだいメディアテーク 7F スタジオアクター
講師:ホリプロ映像事業部制作1部 部長 佐藤哲也氏
去る2月6日(木)、仙台広告業協会 平成25年度第2回研修会を「せんだいメディアテーク」にて開催。当日の参加者は、計86名。
研修テーマは「エンターテイメントへのチャレンジと可能性」と題し、講師にはホリプロ映像事業部 部長の 佐藤哲也氏を招き、東北のつながりとしての東日本大震災時のホリプロの支援活動や芸能プロダクションにおけるチャレンジやアイディア、人材育成についてTVCM、ミュージカル、TV番組、ウェブアイドル、タレントスカウトキャラバンなどを題材に、話をうかがった。
はじめに、会社紹介として ホリプロの「文化をプロモートする人間産業」という理念のもと、芸能プロダクションとして、タレント発掘・育成を強みとするマネジメント事業を中心に、番組やCMを制作する映像事業、ミュージカルや演劇をプロデュースする公演事業など、さまざまな事業を複合的に展開し、総合エンターテイメント企業を目指しているとご紹介いただく。
また、東北における震災の復興支援への取り組みも披露。和田アキ子・榊原郁恵などが参加した「あの鐘を鳴らすのはあなた基金」・「チャリティーコンサート」、グリコとイベントとして参加した「ライトアップ・ニッポン」。女子サッカー代表・丸山桂里奈、女優の美波、かりゆし58、石井正則を引き連れ、仙台港の三井アウトレットで実施した事例として紹介。
続いての発表は、ホリプロが既存のGSスターを売っていたタレント事務所から、「スターを発掘する」という新たな挑戦でスタートした「ホリプロタレントスカウトキャラバン」。第一回目グランプリの榊原郁恵に始まり、歴代のブランプリをダイジェスト映像で発表。いまや、タレントオーディションの代名詞といえるスカウトキャラバンだが、世の中のトレンドの変化の中で、毎年続けていく苦労もあり、「コンセプトを変える」「男性アイドルの発掘」「受賞者の年齢を下げた試み」など、いろいろなエピソードを交え映像とともに紹介いただく。
ただ続けるのではなく、毎年進化しながら続けていくという形にこだわってきたことを強調。
2011年の第36回には、新たなカテゴリーへの挑戦として「声優オーディション」を開催。そこから派生し、社内に声優部門を設け、タイムボカン・ガッチャマンの「タツノコプロ」の株式を13.5%取得し、業務提携した経緯も発表。さらに、続く第37回は、イメージ戦略を重視し「ウォルトディズニージャパン」とのタイアップを実現。その後も、業界でタブーとされた雑誌社との提携で、non-no・セブンティーンの編集長と一緒にフォトジェニックなモデルをできる子の発掘にも取り組みんだ事例も発表した。
また、自身が所属する部署の「映像制作」について、過去のCF作品集を紹介しながらマンダム・モービル、レナウン、味の素など初期の作品を披露。和田アキ子、山口百恵、森昌子、を始めとする元祖アイドルCF集、鈴木保奈美、武田真治、優香、深田恭子、妻夫木聡、綾瀬はるか、石原さとみ、松山ケンイチのCF集を紹介。
さらに、映像制作の部署で取り組んだ事例として、「グリコワゴン」による50周年キャンペーンとして全国47都道府県をまわる企画に取り組み、各地のラジオ局などとイベントをからませ、同時に広告撮りを行いながら3か月間のハードなスケジュールでキャンペーンを開催。
早すぎる「失敗事例」として、バーチャルアイドル育成に取り組んだ例、社内で「自分の趣味か!」と言われながら実施した例、「さま優怪しい××、wowow、ポパイ伝説、サーフィン伝説、ディスコ伝説、通販」など、試練とチャレンジを繰り返した体験も発表。番組制作においては、海外ロケの取材中、パーティーを主催するマフィアのボスを誤って収録しカメラマンが拉致された例や、江角マキコと共に、大自然の中でカナディアンインディアン・ハイダ族の取材中に出会った88歳の酋長から話された言葉に感銘を受けたことなども紹介。
最後に、これからの自身の目指すべき方向性が「エンターテイメントの総合商社」であること。多様化された時代を読み取ってヒットを生み出すのは大変だと考えるが、心柔軟に、若手の声や情報を吸収し、時にチャレンジしていくことで「部署」「会社」「エンターテイメント業界」が元気になれると信じている・・・と想いを語られた。